迷参謀アルマジロの日々是修行日記
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「危機管理」のすすめ
  最近本屋の本棚を覗くと、「危機管理」に関する本が以前に比較して結構並んでいます。その原因はおそらく、新型インフルエンザが予想以上に流行したことや、関東大震災に因んだ「防災の日」(9月1日)による大地震に対する注意喚起などにあるのでしょう。中小企業庁でも、インフルエンザや大地震などの危急時における企業活動継続プラン(BCP)を用意しておくことを、最近特に強く推進しているようです。当事務所でも「危機管理」を予防・戦略法務の一環として、法的部分のみならず会社や家庭における諸活動を含めて、推進していますから、この「危機管理」(リスク・マネージメント」という言葉が社会で一般的になっていくことはうれしい限りです。

  さて、「危機管理」とは一体どういう内容のことなのでしょうか。一言で言ってしまえば、何か悪いことが起きても、それを「想定内」の状態に置くことにより、落ち着いて対応しましょう、あるいは最悪の状態を避けられるようにしておきましょう、ということです。言い換えれば、起き得る危険を想定して、当該危険が万が一起きた時に取るべき行動を優先順位を付けて決めておき、実際に起きた時には、その計画を具体的に実行しましょうということです

  たとえば、後で訴訟にならないように、また起こりうる問題に対して当事者間で解決できるように、契約書を作っておきましょう、ということです(法的危機管理・予防法務)。また、大地震が起きた時に水道やガスの供給が止まるであろうから、ミネラルウオーターやカセットボンベを用意しておきましょう、とか、家族の安否確認のために携帯電話の伝言板を使うことを家族で申し合わせておこう、ということです(家庭における危機管理)。あるいは、インフルエンザで従業員の多くが出社できなくなったときに、どのようにして企業活動を継続させるか、あるいは、企業活動の一部が事件になった場合に、マスコミに対してどのように対応すべきかを、予め決めて周知徹底させておこう、ということです(企業における危機管理)。

  何れの「危機管理」も、景気や家計の状態に左右されるべきものではなく、少なくとも一度は真剣に考えておくべきものですよね。皆さんも是非実行して下さいね。 お手伝いはさせていただきます!
by hayakawa-houmu | 2009-09-30 05:51 | 予防・戦略法務のこと
「異文化コミュニケーション」
  職場や家庭、友達関係や学校など、いろいろな場面で「コミュニケーションは大切だ」とか「コミュニケーションが足りないから問題が起こった」とか、とかく「コミュニケーション」という言葉が乱れ飛んでいる。ところで、昔のコミュニケーションと現代のそれでは、その「質」がだいぶ異なってきたように思うのはアルマジロだけであろうか。

  というのも、日本という枠内での話ではあるが、かつての日本は「男性中心社会」かつ「長幼の序を重んじる社会」であって、男達のいわゆる「常識」(その内容は極めて曖昧である!)という物差しを使っってコミュニケーションがとられていた。したがって、コミュニケーションの相手方は、この「常識」という物差しを理解している限り、たとえ交わす言葉が少なくとも相手の言わんとしていることはそれなりに予測可能かつ理解可能であった。

  ところが現代に至っては、女性の社会進出は不十分とはいえ進み、若者も言葉や態度でそれなりに主張し、加えて多くの様々な国籍をもつ外国人も社会の一員として活動している。そこでは、今までの男性中心の文化から、女性・若者・外国人等の様々な切り口からの文化が混在している社会に変化しているのではないだろうか。だとすれば、従前のコミュニケーションの方法も、異文化間のコミュニケーションを可能とする方法に変化させなければならない。

  異文化間のコミュニケーションで肝要なことは、まず相手の話に耳を傾けること、そして、相手の主張を繰り返し確認するなどして相手の主張を正しく理解するように努めること、また、上記の過程を通じて相手の真意を理解するように努めることなどであろう。そして、双方が対立に至っているような場合には、自分の主張は絶対であるなどというオール・オア・ナッシング的態度をとるのではなくて、双方の意見の共通点を出来るだけ見つけ出すと共に代替案を提案し、対立している問題を双方協力の下で解決するような協調的な態度が望ましいのであろう。

  もっとも、こちらが協調的な解決を望んで努力しても、事の成り行きはコミュニケーションである限り相手の態度にも異存する。「言うは易し、行うは難し」である。しかし、コミュニケーションが言葉や意見のキャッチボールである限り、まずはこちらが協調的な態度で相手が取りやすいボールを投げることが肝要なのであろう。「コミュニケーションが悪かったからこうなってしまった」などと簡単にコメントするのではなく、時にはコミュニケーションの過程ひとつひとつを分析的に顧みることも必要なのではないだろうか。

P.S.
上述のお話とはあまり関連しませんが、コミュニケーションをよくする「話し方」の勘所に興味のある方は、「コーチENDOの日記」http://endofin.blog55.fc2.com/ をご覧下さい。
by hayakawa-houmu | 2009-09-28 06:12 | 日々雑感
「そばがき」
  アルマジロは最近、おいしい「そばがき」に凝っています。行きつけの手打蕎麦屋さんで食べる「そばがき」を自宅で再現することが目標です。

  どんな「そばがき」かというと・・・「掻きっぱなし」というのでしょうか、蕎麦湯に浮かんだやつではありません。そば粉をお湯で練っただけのようなものが、器に盛られて出てきます。早く食べないと固くなってしまうので、と急かされます。これに天然塩を軽く振りかけて食べると、もう最高! そばつゆやわさび醤油も付いてくるのですが、アルマジロは天然塩で食すのが、一番好きです。

  これを自宅で再現するのは、簡単そうでいて、とても難しく感じます。風味を楽しむものですから、まずはよいそば粉が必要ですし、加えるお湯の加減も微妙です。

  美味しい「そばがき」を自宅で再現することも、アルマジロの修行のひとつです!

P.S.
  先日上述のお蕎麦屋さんで、粗挽きそば粉のそばがきをご馳走になりました。これはこれで風味豊かで、美味しかったです。
by hayakawa-houmu | 2009-09-26 12:01 | 趣味のこと
「たらい回し」
  ありがたいことに、アルマジロのホームページを見たとおっしゃる方から、相談を頂くことがあります。先日も、知り合いの男性からお金を借りてしまったのだが、しつこく付きまとわれて困るので、お金の貸し借りだけの関係にしたいのだがどうしたらよいかという相談が、ある女性から舞い込みました。

  法律上、紛争に至ってしまった事件は弁護士でなければ処理できないことになっており、残念ながら当事務所で当該事件を解決することをお引き受けするわけにはいかない。そこで、困っている人に相談先をアドバイスするのも社会貢献の一環と考え、無料で相談に応じてくれる公の機関をお教えした。まずは、地域の「女性センター」の相談窓口。ホームページによれば、DVだけでなく女性に関する相談一般を取り扱っているはずなのだが、「このような相談はお受けできません」ということで門前払い。次は、「ウイメンズ・プラザ」。ここも女性に関する相談一般を取り扱っているはずなのだが、受け付けてもらえなかった。そして、「法テラス」。ここで、無料法律相談を受け付けてくれる機関を教えてもらい、相談予約を申し込んだようだ。これで解決に一歩近づいたように見えるかもしれないが、最終的には、担当弁護士次第である(クソの役にも立たないアドバイスしかしない弁護士は意外に多いが、無料相談となれば尚更である。よい弁護士を探すのは、結構難しいというのが現実です!)。また、正式に弁護士に解決を依頼すればその費用を負担しなければならず、費用負担が経済的に困難な方にとっては、法テラスで提供している民事法律扶助制度が適用になるか否かも問題となります。

  このような「たらい回し」にあうことは、アルマジロにとって2回目。前回も女性からの相談でしたが、女性や経済的に恵まれない人々に対して、世の中はなんて冷たいのだろうと心底思います。経済的な問題だけならいざしらず、精神的・肉体的な危険に曝されている者に対する行政・司法の対応の鈍さには考えさせられます。因みに、前回の相談の時には、警察署の課長に直接電話を入れ、埼玉県桶川市のストーカー殺人事件等を引き合いに出し談判(?)したところ、最終的には事なきを得ましたが・・・

  「地獄の沙汰も金次第」とはよく言いますが、これが現実というのも、なんか寂しいですよね。アルマジロは、自分の出来る範囲で、困った人の手助けをしていきたいと思います。

P.S.
  男性に朗報です!? 「東京ウイメンズ・プラザ」では、家庭問題やDV、男女関係等に関する、「男性」用の相談窓口もあるようです。(DVに関して女性や子供をかくまう施設は地域ごとにありますが、残念ながら男性をかくまう施設は全国的に皆無のようです・・・)
by hayakawa-houmu | 2009-09-24 07:40 | 日々雑感
「論理のすり替え」
  ある議論をしていく中で自己が不利になった時など、極めて巧妙に「論理のすり替え」が行われることがある。これも自己の立場を擁護するためのひとつのタクティクス(戦術)ではあるが、特に行政がマスコミを利用した稚拙な「論理のすり替え」を腹立たしいと思うのは、アルマジロだけであろうか。

  ところで、先週、今年度の新司法試験の合格発表があった。結果は、合格者数は昨年より22名少ない2,043人で、合格率も過去最低の28%であった。マスコミが報じた法務省見解は、一言でいえば、受験生の質が下がったために、上記合格者数・合格率も下がったのだという。しかし、本当にこのような因果で今回の結果になったのだろうか。

  昨年度も計画を下回る2,000人強の合格者数であったが、この時の背景は日弁連の圧力であったことは明白である。日弁連によれば、司法試験合格者数が増加して弁護士が増えると、弁護士会による実地教育の手が回らず、弁護士の質が低下するので、合格者数は司法制度改革の計画である3,000人に対して2,000人程度が限界であるというのである。また、経済界でも司法試験合格者を採用する計画であったにも拘らず未だ実現されていないようだから、これで司法制度改革を策定した時にその内容に合意した日弁連と経済界の双方が梯子を外したことになる。

  そもそも、司法試験が絶対評価でなく相対評価であることからも、合格者数は日弁連の主張するところの「2,000人」が初めにありきで、司法試験委員会はこの人数を満たす得点で足切りをしたと考えるのが妥当であろう。だとすれば、受験生の質の低下を理由とすることは、当初の計画を外した2年目に至って、「論理のすり替え」を行ったことになる。ましてや、合格率の低下に至っては計画に織込済であって、決して質の低下を理由にするまでもないことである。(計画による合格者数の増加よりも浪人数の増加が毎年上回っていくから。)

  思うに、こんな姑息な「論理のすり替え」をしてまで、当初の司法制度改革の内容を擁護する必要はないであろう。素直に「見込み違いでした」と、何故言えないのであろうか。そもそも計画などというものはあくまで「計画」であって、その後の状況に合わせて内容を変更して当たり前ではないか。政治家や官庁、経済界等の面子もあるだろうが、もう少し真摯にやって頂きたい。このようなことが「政治に対する不信」につながるのだと思う。

  旧司法試験で合格者が500名程度の時代と比べれば受験生や合格者の質が相対的に低下していることや、法科大学院での教育に問題があることも事実であろう。また、「自己責任」の時代であることを考えれば、「梯子を外された」と騒ぐ一部の法科大学院生の立場を擁護するつもりもない。しかし、このような稚拙な「論理のすり替え」をやらなければならない状況を作りだしたのは、当初の計画策定時における日弁連と経済界の態度であり、また法務省・文科省における縦割り行政にあったとすれば、関係者は大いに反省しなければならない。
by hayakawa-houmu | 2009-09-18 06:55 | 日々雑感
「民主主義と多数決」
  「民主主義」の世界では「多数決」という原理が用いられていることは、皆さんもよくご存じだと思います。小学生の頃から、学芸会の出し物や修学旅行の行き先などいろいろな場面で、「多数決」で物事を決めた思い出がありますよね。

  ところで、「多数決」とは、広辞苑によれば、「会議で多数者の意見によって議案の採否を決する方式」となっています。たしかに、この言葉の意味を端的にいえば、その通りだと思います。しかし、「民主主義」という文脈における「多数決」の意味は、「多数意見による採否の決定」といった単純な意味しか持たないのでしょうか。
 
  この点、アルマジロは次のように考えます。すなわち、「民主主義」とは、国家において国民が権力を所有し、その権力を自ら行使する立場です。そこで、「国民」を集合的な「国民」と捉えるのではなく、ひとりひとりの「国民」と捉えれば、多数派であれ少数派であれ「国民」である以上、権力を有し自ら行使できるのです。だとすれば、「多数決」が多数派の意見のみを反映し、少数派の意見が抹殺してしまうとすれば、「民主主義」に適っているとはいえません。
 
  「民主主義」における「多数決」原理の採用に際して肝要なのは、「多数決」で決する前に議論を尽くすことなのだと思います。この議論の中で、多数派の意見だけでなく少数派の意見についてもじっくり議論し、たった一人の少数意見であっても有意義な内容はすべて採決案に反映するといった姿勢が大切なのです。そして、このように、少数派の意見を尊重した上での十分な議論の後に「多数決」で採否を決することこそ、「民主主義」に適った「「多数決」といえるのです。

  「民主主義」における少数派を尊重することや「資本主義」における弱者に目を向けることは非常に重要なことにも拘らず、現代社会においては常に無視されているように思えます。このような社会にあっては、社会システムの変革に解決を求めるだけでなく、既存の法律等を有効活用して「数」の横暴や「資本」の横暴から自らを守ることこそ、現代社会に生きる個人や中小企業にとって必要なのだと考えます。(この手段のひとつが、予防法務であり戦略法務です!)
by hayakawa-houmu | 2009-09-16 07:08 | 予防・戦略法務のこと
「経営者から学ぶこと」
  先週のアルマジロは、お二人の経営者の方々にお会いしてきました。経営者にお会いして様々な話をお聞きすることは、とても有意義なことで、アルマジロは大好きです。当事務所がお手伝いできることを探しに行くのでもなく、営業(押し売り?)に行くのでもありません。どのような経営者であれ、こちらが学ぶべきことが多く、趣味と修行も両立し、アルマジロにとってはとてもありがたいことなのです。

  今回のお二人は、業種は異なりますが、言ってみれば「成功者」です。そして、両者の成功への道程を観察したときに共通点があることに気付かされます。それは何かというと・・・

1.ご自分の会社や仕事に大変な情熱を持ってきたこと。
2.ご自分の会社をどのような会社にしたいのか、といった理念を持って努力してきたこと。
3.その理念を達成するための戦略、そしてその戦略を具体化した戦術を実行してきたこと。
4.上記のすべてを継続させてきたこと。
5.様々なことに興味を持ち、自身が知らないことや理解できないことに貪欲なこと。

  ・・・といったところでしょうか。これらのどれをとっても、様々な経営のノウハウ本や経営学の教科書等によく出てくる事項です。しかし、お二人の経営者は大学で経営学を学んだわけでもなく、ましてやビジネススクールで勉強したわけでもありません。実際に会社を経営してきた中で、誰の真似をするのでもなく、実践してきたのです。これこそ「生きた学習」、あるいはちょっと大袈裟かもしれませんが、「生死を賭けた学習」なのだと思います。ビジネススクールで学んだ様々な理論を金科玉条の如く振り回し、お金だけたくさん取ってクソの役にも立たないサラリーマンやコンサルタントはたくさん見てきましたが、このお二人のような「生きた教材」に接することは、非常にありがたく、貴重な経験です。

  今回の経験も、当事務所の今後の仕事を通して、一人でも多くの悩める中小企業の経営者の方々に参考例のひとつとして伝えていきたいと思います。お二人の経営者の方々には、お忙しい中をお時間を割いて頂き、厚く御礼申し上げます。
by hayakawa-houmu | 2009-09-14 06:52 | 日々雑感
「消費者教育プログラム」
  皆さんご存じの通り当事務所では、個人や中小企業の経営者の方々に「自己責任の時代」を上手に乗り切って頂くべく、特に「予防法務・戦略法務」の観点から、また、いわゆるリスク・マネージメントやプロセス管理やプロジェクト管理の側面でお手伝いさせて頂いております。しかし、個人レベルで考えてみると、「自己責任の時代」を上手に乗り切って行くためには上記の側面だけでは十分ではありません。他にも、衣生活や食生活、環境などの観点から自己防衛を考える必要があります。つまり、当事務所で応援している内容と一部重なりますが、「消費者」の観点からの防衛が重要ということです。

  そんなことを感じていたアルマジロの目に止まったのは、行政の行っている消費者教育プログラムでした。たとえば、「国民生活センター」のホームページには様々な内容の消費者問題に関する情報が網羅されており、消費者の一人として非常に興味深いものです。また、アルマジロが住む東京都練馬区では「消費生活通信講座」というものが用意されており、3回のスクーリングや2回の提出課題を含めて、必要な費用はテキスト代の1,680円だけです。

  アルマジロは個人的興味から、上記講座を申込み、先日第2回のスクーリングに行ってまいりました。これまでの感想としては、消費生活の様々な知識に触れることができ非常に有意義であると共に、参加している方の年齢も想像以上に若く、多くの男性の方もいらっしゃったので少々驚きました。「契約」など法律に関する説明もあるのですが、とりあえず法律の専門家を自称するアルマジロからすると、消費者一般にとって「わかりやすい説明」にはなっていなかったように感じましたが・・・(法律をわかりやすく、一般の人に説明するのは非常に難易度が高いのも事実です!)。

  皆さんもお時間の許す限り、行政が行っている「消費者教育プログラム」に参加してみては如何でしょうか。必ずや新しい発見があるかと思います。

P.S.
  「国民生活センター」では、毎年「くらしの豆知識」という冊子を450円(2010年版)で販売しています。地方自治体によっては地区の消費生活センターが無料で配布しているようです。皆さんのお目に止まることがあれば、是非一度手に取って見てみてください。結構ためになりますよ!
by hayakawa-houmu | 2009-09-12 13:37 | 予防・戦略法務のこと
「経営効率」
  今日のように景気が悪い時には特に、「経営効率を改善せよ」なんていう号令が社内で下るケースが一般的には多いですよね。 先日も、ある中小企業の経営者の方と「経営効率」についての禅問答をさせて頂きました(笑)

  さて、「経営効率」とは一体何なのでしょうか? 「経営効率」を示す指標はROIやROCEなど様々ですが、一般的にいうと、「経営効率とは、儲けた額とその額を儲けるために投下した資本や費用の比率」、つまり、「いくら遣って、いくら儲けたか」を表すものです。したがって、「経営効率が良い」とは「少ないお金でより多く儲けること」を意味します。

  ところで、ある状態から経営効率を追求するためには、(当たり前のことですが)同じ額の資本や費用でより多く儲けるか、あるいは、儲けが同じであれば、資本や費用の額を減らすことが必要ですよね。ということは、現在のように不景気な時期には儲けも減りますから、「経営効率」を維持するためにはより一層投下資本や費用を減らす必要が出てくるわけです。

  ここで重要なことは、まず第一に、投下資本や費用を減少させるために切り捨てるものの選択を慎重に行うことです。つまり、「効率」という指標を良くするために企業の継続的活動を維持するために不可欠なものを犠牲にすることがないようにしなければなりません。会社経営の目的は利潤の追求だけでなく、企業活動が文明の発達や文化の生成に寄与するなどして社会に貢献するものであり、しかも、多くの従業員やその家族の生活を支えていくものであることから、その活動を継続的に行うことにもあるからです。したがって、特定の技術や経験を持った従業員の肩を叩くとか、現在赤字であるというだけで特定の顧客との商売を打ち切るなど、短期的な視野のみに立った選択は避けなければなりません。

  さらに、慎重な選択の結果切り捨てられたものに関して、残ったものへの影響を注意深く観察し続け、その反作用が無視できないものであれば早急に対処する必要があるということです。たとえば、企業の継続的活動を維持できるであろう範囲で人員の削減を行ったとしても、残された従業員の負担はより大きくなることが通常であるし、従業員のモラルが下がることも必然であって、その影響は無視できません。また、技術を持った従業員を失ったり技術者の人数を減らしたがために事故が発生したり、思いもかけないほどの損失が発生したりするものです。

  「経営効率」は企業活動における重要な指標であることは間違いありません。しかし、「経営効率」を「錦の御旗」として利潤の追求のみを目指すのは誤りだと思います。株主がいくら儲かっても企業の存続が危ぶまれるようでは困りますし、従業員が路頭に迷って税金のお世話になるというのも困りますよね。そもそも「効率」などというのは単なる「割り算」です。その深い意味を考えず、ただ単にその答に一喜一憂したり盲信するのはかなり幼稚だと思います。いかなる指標も、あくまでも単なる指標であって、しかも企業活動の内容「全体」ではなく「部分」を表すものです。したがって、「指標」の限界を知ると共に、その有効活用を図ることが必要なのです。
by hayakawa-houmu | 2009-09-10 06:25 | 日々雑感
「遺言」(3)
  過去2回にわたって「遺言」について書いてきました。大切なのは、「遺言」の限界を理解すると共に、生前にやるべきことはやっておくということです。最後に、もめ事や紛争の生じる可能性を極力減らすために「遺言」を用意しておくべき場合を挙げておきたいと思います。

  1.子供がいない人で配偶者の生活のためにすべての財産を配偶者に相続させたい場合(「遺言」して
    おかないと、兄弟姉妹や父母から法定相続の主張を受ける可能性があるため)

  2.重い病気や身体の不自由な家族がいる場合(自身の死後、当該家族の看護を担保する必要が
    あるため)

  3.事業承継などのため、特定の財産を後継者等に相続させる必要がある場合(「遺言」して
    おかないと、法定相続のために相続財産が分散してしまう可能性があるため)

  4.離婚した配偶者やその子供に相続させたい場合(法定相続では、相続することが不可能のため)

  5.内縁の相手や未認知の子供に相続させたい場合(法定相続では、相続することが不可能のため)

  6.相続人が多い場合(相続人の数が多いだけでもめる可能性も大きくなるため)

  7.身よりがない場合(遺産を国庫に納めることなく、故人の遺志に従って財産の行き先を決めるため)

  その他にも個々の状況に応じて「遺言」を書いておいた方がよい場合はあると思います。

  また、「遺言」を書く場合に「遺言執行人」を指定しておくと、残された方々の労苦を減らすことにもつながります。たとえば、凍結された故人の銀行口座を解除する場合には相続人全員の印鑑及び印鑑証明が必要となりますが、「遺言執行人」を指定しておくと、銀行は「遺言執行人」の印鑑で凍結解除をしてくれます。相続を一度でも経験したことがある方はご存じだと思いますが、アルマジロの経験から言っても、「遺言執行人」の指定はお奨めです!
by hayakawa-houmu | 2009-09-08 10:39 | 予防・戦略法務のこと


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