迷参謀アルマジロの日々是修行日記
「撤退する勇気」
  人生や事業を進めていく中で最も難しい決断のひとつに、「撤退」のための決断があります。

  「撤退」するということは、自分が今までやってきた、数々の思い入れがあることに対して自ら幕を引こうというのですから、容易であるはずはありません。 しかし、時間やお金など、際限なく生じる損失に歯止めをかけるためにも、数ある他の機会を維持・活用するためにも、勇気をもって「撤退」の決断を下すべきときが少なからずあります。

  このような場面で重要なことは、まず、自分や自分達が、耐えうる損失やリスクの範囲内にあることを客観的に判断することです。 そして、自分が努力すればできること、努力してもできないことを見極め、自分が進んでいくべき方向を正しく認識しようとすることが大切です。 その際には、先入観念や固定観念を捨てて客観的に判断しなければならないことは、言うまでもないでしょう。

  アルマジロが通っていた法科大学院というところは、一般人の認識からすれば、司法試験に合格するための、そして、法曹になるための機関です。 しかし、法科大学院にも、法律の勉強に向いていない人もいれば、勉強のために長時間集中することに向いていない人、あるいは、法曹という職業に向いていない人など、いろいろな学生がいます。 自分が今進んでいる道に疑問を持った時や思うようにいかなかった時、一度立ち止まって「この道が自分に相応しいのか否か」「この道が最善のものか否か」を客観的に考えてみてほしいのです。 世の中には、絶対的に「正しい」とか「相応しい」などという答えはありません。 すべて、ある与えられた環境下における相対的な評価に過ぎないのです。 言い換えれば、今日、他の選択肢と比較して「より正しい」と思われることも、明日になれば、その相対的な位置は変わってしまうということです。 ですから、法科大学院を中退して、たとえばサラリーマンの道を進むとしても、少しも恥じることなどありません。 世間の人の固定観念に振り回されなければならないわれはないのです。客観的にみて、「今の自分にはこの道がより正しいのだ」という新しい道を見付けたならば、胸を張って突き進めばよいのです。 それが、あなたにとっての「正解」なのです。

  ところで、司法試験という試験は、頭の良し悪しを判定する試験ではありません(この点、困ったことに、誤解している合格者はたくさんいます! もっとも、地頭の強い人達は概して要領も良いので、比較的時間を掛けなくても合格します。)。 むしろ、この試験は、ある予備校の経営者も言っているように、「勉強の到達点」を計る試験なのです。対象となる法律の範囲は膨大ですが、そのすべてを身に付ける必要はなく、その中から試験の要求している内容を抽出して時間を掛けて身に付ければ、誰でも合格できる試験です。 しかし、だからといって、自分の向いていないものに多大な時間とお金を投じることは、人生の無駄だと思います(そして、経費を負担するご両親やご家族は、たまったものではありません!)。

  アルマジロは在学中から同級生に言っていたのですが、「法科大学院=司法試験」という固定観念から脱却し、法科大学院を卒業した、あるいは何年か経験した若者達が、法曹以外のいろいろな世界で活躍して欲しいと願っています。 また、社会も、様々な人々を受け入れる度量を持って欲しいと思います。今回は法科大学院を例としましたが、たとえば医学部の学生なども、「医学部=医者」といった固定観念にとらわれず、 「撤退」する勇気を持って、自分らしく進むべき道を是非探してみてほしいと思います。
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by hayakawa-houmu | 2009-08-22 07:44 | 日々雑感
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