いわゆる材料としての「素材の良さ」は、料理をするに際してとても大切とされている。
新鮮な食材、高品質の食材など「素材の良さ」という言葉は様々な意味に用いられるが、肝要なのは「素材の良さ」を生かさなければならぬということだ。 では、「素材の良さを生かす」とはどのようなことを言うのであろうか。おそらくそれは、「素材の良さ」を殺さずに料理として供することであろうし、あるいは、「素材の良さ」をより一層良いもととして供することをいうのであろう。ここまで来ると、料理好きとはいえ、その才能が十分でないアルマジロなどが良い食材に出会うたびにすることは、出来るだけシンプルに、塩・胡椒を振るのみで、あるいは、正統な出し汁を使って煮てみるなり、焼くなりする程度である。 もちろん、料理のプロ(商いとしているという意ではない!)ともなれば、「素材の良さ」を生かすための最善の手法を焼く・煮る・蒸す・揚げるなどから選び、あるいは、「素材の良さ」をさらに引き立てるような、創造性豊かな味付けやソースを添えたりなどすることになる。 ところが、この辺を勘違いした料理人が少なくないのには閉口する。先日も、愛媛県にてオーベルジュを称するホテルに泊まった際に、そこのレストランでそんな料理に遭遇してしまった。地産地消を唱え使用する食材は、野菜にせよ、魚にせよ、肉にせよ、明らかに特級品である。このような食材を、たとえば、愛媛県黒毛和牛のロースを、塩・胡椒をさっと振って炙りたてを食したら、どんなに美味しいことだろう。ところが、肉の上には理解不能なソースが添えられており、「素材の良さ」を殺してしまっているといってよい。多くの料理で同様の現象が見られたのである。 そんなアルマジロの独り言(!?)が聴こえたのか聞こえなかったのか、翌日の料理には「素材の良さ」を損なうような余計な手の入り方は比較的少なくなったように感じられたのが救いであった。 「素材の良さ」を生かすことは、素人にとっても商売人にとっても難しい。そして、生かす対象が食材であれ、人材であれ、それが難しいということは、多くの皆さんも既に経験済みのことではないだろうか。 P.S. 後日談・・・このオーベルジュは開店1年半程度であるが、ロケーションといい宿泊スペースのセンスといい、かなりクオリティが高い。贔屓の客を多く確保して、経営不安にならないように是非ともしてもらいたいものである。アルマジロの印象を四国の名店である(以前にもご紹介した・・・)「シェ露堂」のマダムに伝えたところ、このオーベルジュの存在は既にご存じであった。オーナー及びシェフ2名が開店前に「シェ露堂」の料理を勉強しに来られたそうである。それだけの向上心があるのであれば、今後の趨勢も捨てたものでもないのかなと、多少は楽観的になったアルマジロであった。
by hayakawa-houmu
| 2011-08-22 08:37
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