今回は、「調停」に必要なスキルのお話。
まず、「対話促進型」調停の目的を考えてみる。それは、紛争当事者の話を相手方当事者の共に聴いて、当事者の本音や感情を引き出し、整理し、そして、問題の解決へと方向付けることである。 だとすれば、調停人に必要なスキルは、まずは話合いを「方向付ける」ことから、「ファシリテーション」能力ということになる。そして、単なる「ファシリテーション」ではなく、「当事者の本音や感情を引き出し、整理」するのであるから、むしろカウンセリングの重要な技法でもある「傾聴」のスキルも重要となる。さらには、公平・公正・妥当な、あるいは、よりよい問題解決を目指すとすれば、当該紛争領域に関わる専門知識や法的知識なども必要となろう。(他にも必要なスキルはあると思いますが、とりあえず代表的なものを挙げてみた。また、最終的には全人格的な人間力も必要とされるのでしょうが、少々次元が異なるのでここでは割愛させて頂きます。) ところで、「ファシリテーション」能力、「傾聴」のスキル、専門知識や法的知識などといったものは、別に「調停人」をせずとも、一般のビジネス・パーソンに必要な「ビジネス・スキル」として、企業内研修や自己啓発研修等で長年取り上げられてきたものであって、特に珍しいスキルではない。あるいは、夫婦間や家族間などでも、これらのスキルを日頃から上手に使うことを怠ると「紛争」(!?)状態に至たることもご自身の経験から想像するに難くないと思われる。 また、これらのスキルは2当事者間の問題解決に有用であるのみならず、多数当事者間の合意形成の技術としても応用が効くため、活用の範囲は広い。 そんなこともあって、「調停人」になるか否かは別としても、世の中の「調停人」トレーニングなるものを受講してみることは大変有意義なことだと、トレーニングを生業にするでもないアルマジロは宣伝しているのである。 ところが、トレーニングを受けて「なーんだ」と高を括り、この世界から去っていくといった輩が多いのは世の常である。そして、そのような輩に限ってこのスキルが大いに欠けており、どのような仕事の場面でも成長が見えない寂しい結末に至っているような気もする。おそらく、トレーニングの内容か、あるいは、自己の能力を大きく誤解してのことだとは思うが・・・ ビジネス・スキルであれラグビー・スキルであれ、スキルなどというものは理論と実践をバランスよく経験していかなければ身に付かない道具である(生まれ持った人は別として・・・!?)。 したがって、その人なりに、それ相当の努力と習得するまでの時間を覚悟しなければならないことになる。 いわゆる「投資効率」などという考え方は馴染まない世界なのである。
by hayakawa-houmu
| 2011-01-24 05:41
| 予防・戦略法務のこと
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