進撃を続けたサッカー日本代表も、残念ながら決勝トーナメント1回戦でワールドカップを去ることになってしまいました。戦前のアルマジロ辛口予想は幸いにして大きく外れてしまいましたが、今回の日本代表の意外な(!?)活躍を可能にしたキーワードはチームの「危機感」だったと考えます。
というのも、今年に入ってからの対外試合の惨憺たる結果を受けて、チームは大会直前に戦術を大幅に変更しました。常識で考えれば、そのような変更はチームを混乱させるだけですから、行わないのが定石です。今までの戦術では明らかに勝てないということを認識したのでしょう、無謀な変更とも思えるオプションを岡田監督は選択したのです。この監督の危機感は選手達に伝わり、報道されているように、選手達の結束はそれまで以上に堅固なものになったようです。惨めな試合はできないという思いや、新しい戦術に不慣れなことなどで、選手は必死になってこの戦術を試合中に消化しようとしたはずです。もう、コミュニケーションがどうこう言っている次元ではなかったと思います。 もちろん、カメルーン戦やデンマーク戦のように、相手方が置かれた悪い、あるいは、不利な状況も日本代表に有利に働いたことも否定できないと思います。しかし、日本代表の活躍はまさに、チーム全体が「危機感」を共有し、新戦術の超短期的消化という同じ目標に向かって必死に努力した結果の活躍ということができるのではないでしょうか。 企業経営においては、一握りの人達(必ずしも経営者が含まれているとは限りません!)だけが「危機感」を感じているだけで、従業員全体に浸透しないというお悩みをよくお聞きします。実際、アルマジロのサラリーマン時代にも我が身を以てそのような経験をしました。では、そんな状況を打開するための手だてはあるのでしょうか。 ひとつの方法は、今回の日本代表のように、定石からは外れ無謀とも思える変化を組織に課してみることなのかもしれません。もちろん、ギャンブル的選択ではありますが、危機に直面した非常事態であることを考えれば、試してみる価値はあると考えます。
by hayakawa-houmu
| 2010-07-05 05:44
| 日々雑感
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