アルマジロは、法科大学院を優秀な(!?)成績で卒業した。にもかかわらず、新司法試験を受験せず法務事務所を開設したと知ると、多くの方は怪訝な顔をされるのが実情であり、アルマジロが何故そのような選択肢を選んだのかと尋ねられる(そういえば、法科大学院1年生の時から、司法試験は受験しない旨、宣言していました。誰も信じなかっただろうけれど)。そこで、当ブログにその理由を記しておくことにします。
第1の理由は、法曹三者というか、「司法に対する不信」があったからである。このように書くと法曹三者の方からお叱りを受けるかも知れないが、法科大学院に入学する以前から抱いていた「不信」とは・・・法曹三者の方々がされている議論は、各々の立場から考えればまったく合理的な議論なのではあるが、司法制度は国民のためにあるのにもかかわらず、一般論としていえば、実質的に一般国民に向いた議論は稀である。そして、このことは、民事裁判の進行や、裁判官・弁護士の市民に対する態度や発言にも現れている(もちろん、すべての法曹の方がそうではないことも事実です)。このようなことであってはならないと考えるアルマジロも、せめて20歳若ければ、「自分は違う」と叫んで、持ち前のやんちゃ精神を発揮したでしょうが・・・ 第2の理由は、日本の法廷で活動することには、あまり興味を持てなかったからである。これが、アメリカの法廷だったなら、間違いなく法曹の道に進んでいたであろう。こういうと、「それならアメリカのロー・スクールに行けばよいのに」とよく言われるが、アメリカのロー・スクールであの膨大な資料を読みこなすには歳をとりすぎました・・・実際、日本の法科大学院においても、老眼の進行との闘いの日々でした。 第3の理由は、「予防法務」という観点から、商売でなく、社会に少しでも貢献したかったからである。少々カッコよすぎるが、現代社会の現状を思うにつけ、膨大なストレス、そして、お金と時間を掛けずに「自己責任」の時代を乗り切るためには、できるだけ紛争にならないようにして、自己の権利を守ることや法律を有効に活用することが大切である。他方、現在の司法サービスでは、この点におい利用可能なサービスが絶対的に不足している。そこで、一般市民や企業の目線に立った「廉価で敷居の低いサービス」で皆様のお手伝いをさせて頂きたいと考えたのである。 ここまで書いてみて、「俺ってこんなに真面目な人間、いや、アルマジロだったっけ?」とも思いだしたので、この辺で筆を置くことにします。最後に、最近のエピソードをひとつ・・・ 先日法科大学院の恩師(元高裁主席判事)と話す機会があったのだが、その折に恩師から、「司法試験を是非受けてくれ」という叱咤激励と共に、「法科大学院に入ったことを後悔していませんか?」という質問を受けた。アルマジロの答えはもちろん、「ノー」である。なぜなら、「予防法務」をやりたい以上、法科大学院教育のひとつの眼目である「理論と実務の架橋」、つまり、裁判実務や要件事実論などを理解していなければ、「紛争を避けましょう、万が一紛争になったとしても勝てるようにしておきましょう」などという「予防法務」はとてもできないからである。その意味では、法科大学院で過ごした日々は、貴重な3年間でした。
by hayakawa-houmu
| 2009-08-01 08:12
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